この度、当社で設計業務を行った山形停車場松波線の道路照明灯が、岩崎電気株式会社の施設事例集である「LIBRARY Vol.46」に紹介されました。参考になれば幸いです。


山形停車場松波線

山形県山形市
美しい山並みが印象的な山形市の景観に調和する道路照明灯


夏季は水銀ランプの光にて爽やかに通りを照らし出す 冬季は高圧ナトリウムランプの光で暖かみのある雰囲気を演出
県庁所在地である山形市は城下町より発展した歴史文化の豊かな街です。
近年、山形自動車道の開通や山形新幹線の開業など高速交通網の整備が進み、都市は新しい時代に向けて変貌をとげようとしています。

一方、平成4年に開催された「べにばな国体」を契機として、良好な都市景観の形成に関する様々な取り組みが行われております。

個性と潤いのある快適な都市環境づくりを求める声が強く出ている現状を踏まえ、歩道のグレードアップ、電線地中化、コミュニティ道路の整備等、官民一体となった景観整備事業が盛んに行われ、市
民の都市景観に対する関心が高まりつつある状態にあります。

また、山形市は長期的な展望に立ち、目指すべき将来都市像として「生活文化拠点都市」の実現を揚げ、そのために必要な中心市街地の活性化のための数々の整備事業に着手しています。

山形広域都市計画道路として整備が進んでいる山形停車場松波線は、山形駅から県庁に向かい、中心市街地を東西に縦断する幹線道路です。
現在までの整備状況は、山形駅から十日町角(既存L型都心軸の一部を形成)までが整備済み区間となっています。
昼景。道路照明灯のデザインは山並みの稜線に逆らわないシンプルな形となっている すっきりしたデザインの道路照明灯
山形市のシンボルロードとなるこの通りについては、全体の施設計画方針として「配置」「色彩」「デザイン」を景観的な視点から見直し、すべての街路施設の整理統合を図っています。

具体的には、第一に歩行空間として、歩行者にとって快適で機能性のあるみちづくりを行い、第二に通り全体として、心に残る風景をつくるための演出として、地場素材や自然素材を使ったやさしさのある公共施設のデザインを行うことで、「山形らしいあたたかさを感じる空間づくり」を目指しました。

道路照明灯のデザインは、道路整備によって眺望が開け千歳山や雁戸山などの山並みがより印象づけられることを考慮の上、道路照明灯の主たる機能は犠牲にせずに、バランスのとれたシンプル
な形とし、景色を阻害しないものとなるように留意しました。灯具は街路灯のデザインと基調を同じにしつつも、アームに曲線をつけ、山並みの稜線に逆らわない形となっています。

また、ポール部分には視点が集まるため、すっきりとした景色の見やすいテーパーポールとし、ネジなどが極力目立たない工夫を行い、T字型の美しいシルエットに仕上げました。

道路照明灯のランプには、2光色発光形ランプ−アイ ツインアークを採用し、冬季間は暖かみのある橙色の高圧ナトリウムランプを、夏季間は涼しげな光色の水銀ランプを点灯させて街の雰囲気を演出した照明を行っています。
(朝日測量設計事務所 小林敏郎)
施主/山形県
設計/樺ゥ日測量設計事務所
施工/山形建設
電気工事/潟アテック
竣工/平成9年3月