Vol.18 沖縄県−中頭郡勝連町
「世界遺産(勝連城編)」
※画像データです。少々お待ち下さい。

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ぶらり・オキナワ・what's this?


今回は「勝連城(かつれんじょう)」を訪ねてみました。

この城跡には、首里城や中城城のような著しい工法上の特徴などは見られませんが、小高い丘の上に位置し、まるで要塞を思わせる堂々とした風格を漂わせています。

琉球王国の王権が安定してゆく過程で、国王に最後まで抵抗した按司(あじ)、阿麻和利(あまわり)の居城で、高台から見下ろす風景はまさに絶景。

今でこそ城壁が残るのみですが、強者共の夢の後を偲ばせるには十分な風格と言えそうです。



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■勝連城イメージ図

勝連城は14世紀ごろの築城と言われていますが、詳しい年代と築城主は定かではありません。

城主である阿麻和利は武力に力を入れる一方、対外貿易も盛んに行い、勝連の地を大いに繁栄させたと伝えられています。これは「勝連文化」とも言われています。

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■遠方より
標高99m、丘陵上に構築された城で、下から眺めると異様な高さを感じます。
海を見渡す山城に、すっくと立った城壁の迫力には驚かされます。

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■正門


かなりの急斜面を上りきったところに正門はあります。
幅は2m程と小規模ですが、この付近から唐草様の浮き掘りのついたアーチ門の一部が発見されており、装飾を施した豪壮なアーチ門であった可能性があると指摘されています。

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■四の郭の風景1


4段連郭式の曲輪となっており、総面積は12000平方メートルほどです。

石積みや近辺の調査で、何度か増築されている事が確認されています。
この城がある場所は、石器時代の終わり頃から集落のあった場所と判明。貴重な遺構だと評価されているようです。

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■四の郭の風景2


写真は四の郭から三の郭へ上がる階段。

実はステップ部が斜面になっているのです。

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■四の郭から一郭を望む


城壁は高さ10m程で、ほぼ垂直に近い斜面をなしています。
一の郭からは瓦が出土しており、瓦葺の建物があったことがわかっています。多くのグスクの中で瓦葺の建物があったのは、現在のところ勝連城のほかには首里城、浦添城だけです。

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■一の郭から四の郭を望む


城壁の複雑な線形は、地形を遵守したため生成されたもの。これは沖縄のグスクに見られる一般的な特徴です。

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■ニの郭の風景


ニの郭を上から見たところ。四角い部分は舎殿跡。その規模の大きさが伺えます。

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■城壁の風景


四の郭の城壁。堅牢な石積みです。
海の向こうは中城城跡。(ちょっと見ずらいですが)最後の城主、阿麻和利はここから中城城没落の策を練ったのでしょうね、、、。

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■眺望


目下に広がる太平洋の大海原。
武将が眺めた海は今も昔も変わりません。



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