Vol.12 沖縄県−那覇市壷屋
「壷屋焼(つぼややき)」
※画像データです。少々お待ち下さい。

11-tizu.jpg
okinawa.gif
ぶらり・オキナワ・what's this?


沖縄伝統工芸の一つである「壷屋焼(つぼややき)」をご紹介致しましょう。
壷屋(つぼや)とは那覇市の町名で、琉球王朝時代からの陶器の生産地です。周辺の諸地域の影響を受けつつ形成され、14〜16世紀の大交易時代には、中国や東南アジアなどの多くの貿易陶磁器が流入しました。

沖縄の陶器は、きらびやかさや繊細なところはあまり見られませんが、自由闊達、大胆で、どれも生活感あふれたたくましさに満ちていると言えそうです。



1-1.jpg

1-2.jpg

壷屋焼の種類は大きく分けて上焼(じょうやき)と荒焼(あらやき)があります。

上焼は皿、急須、湯呑などの小型の日用雑器全般が代表的です。表面に釉薬が施されているため、写真のようにつややかな器であるのが特徴です。


1-3.jpg

上焼には特異な例として、家型の厨子甕(ずしがめ)のように大型の陶器もあります。

実はこの甕、沖縄の墓で納骨に用いられるものなのです。

1-4.jpg

荒焼はどことなく素朴で、力強さを感じさせる陶器です。

酒甕、水甕、味噌甕など、比較的大型の陶器に多く、無釉で焼き締めのものとなっています。




2-1.jpg

「工房の風景1」

壷屋の町には22の工房がひしめきあっています。

メインストリートには専ら販売店のみが立ち並び、工房は細い路地を深く入った、非常に静かな住宅街の中にあるのが通例です。

2-2.jpg

「工房の風景2」
こちらの工房は上焼専門の工房。

土の香りと、お二人で黙々と作業を進める風景が印象的でした。

2-3.jpg

「工房の風景3」
ロクロを回し、器を造成する場所です。
粘土の塊が、芸術品へと変わるその瞬間、、、、見られなかったのが残念!



陶器ができるまでの、大体の工程をご紹介致しましよう。
(一通りの作業は17工程にも及びます。工程1〜6は、その大きな区切りとご理解下さい。)

3-1.jpg

「工程1」素地土の作成
各工房では、いくつかある粘土をそれぞれの好みで混ぜ合わせ、素地土を作ります。
作られる製品によってその配分は変えられます。

3-2.jpg

上焼に使われる陶土(とうど)は、沖縄本島中部以北から採られ、赤土と白土に分けられます。

赤土は素地土として使われ、白土は素地土に混ぜられたり、器の表面を白くするための化粧掛けに使われます。

3-3.jpg

「工程2」成形
ロクロの上に素地土を乗せて、器を成形します。

今でこそ電動なのですが、昔は下側にも円盤があり、それを足で蹴って回していたそうです。


3-4.jpg

「工程3」化粧掛け
上焼きの技術技法を決定づける要素は、白化粧と呼ばれる化粧掛けの工程。
この白化粧があるから加飾技法や釉の色差し、赤絵なども展開できるとの事。焼き栄えに影響する事もあって、大きなこだわりをもっているそうです。

3-5.jpg

「工程4」加飾
器にいろどりをつける技法です。
呉須で文様を描く染め付け(呉須絵)、異なる色の釉薬を分けて掛ける掛け分け、釉薬で流し文様をつける流し掛けの技法は古い作品にもよく見られます。
白化粧は、溶かした化粧土を器面にかけるもので、作品によっては、そのあと絵付けや腺掘りがほどこされます。透明柚をかけてそのまま焼いたり、赤絵のようにさらに彩飾したりします。

3-6.jpg

「工程5」乾燥
こちらでも扇風機は大活躍です。

あまり急激に乾燥させると亀裂が生じるため、結構気を使うそうです。


3-7.jpg

「工程6」窯入れ
釉薬を掛けた後、1200度前後で焼成されます。

この窯は登り窯と呼ばれる連房式の窯で、斜面に築かれており、中には幾つかの袋が設けられているのが特徴です。

実のところ、写真の窯は県指定文化財で、現在は使われておりません。

当時は薪で1週間ほど燃焼させたそうですが、現在はガス窯で3日ほどだそうです。

3-8.jpg




TOPICS


copyright:株式会社朝日測量設計事務所 ASAHI SURVEY & PLANNING OFFICE CO.,LTD.
Mail to ASH:ashowner@asahi-survey.co.jp