Vol.13 沖縄県− 那覇市南風原町(はえばるちょう) 「琉球絣」 ※画像データです。少々お待ち下さい。
琉球絣(りゅうきゅうかすり)をご紹介致しましょう。
沖縄に絣技術がどのように入ってきたのかその詳細は明らかではありませんが、他の伝統工芸品と同様、14〜16世紀の大交易時代に中国、東南アジアから流入したのでないかと考えられています。 特に、経(たて)と緯(よこ)の絣技術が伝承されている地域は世界的に少なく、その図柄は300種以上にものぼり、組み合わせや変形も多彩です。 技術革新による機械化が進む中、昔ながらの木製の機織り機を用いて丁寧に織り上げられる絣と職人さん達の熱意、、、。全ては伝統と技法を守るためにあると言えそうです。
織り出された文様の輪郭が、絣糸の乱れによってそう見えることから名づけられたとされています。
「工場の風景1」
絣の生産は大きく分けて、糸の括り、染め、織りに分業化されます。今回お邪魔した工場は、「織り」専門の工場でした。
「工場の風景2-1」
工場といっても機械化が進んでいるのではなく、昔ながらの織物機で、一反一反丁寧に作成されるのです。 工場内はお馴染みの機織りの音が響いており、心地よいながらもピリッとした雰囲気でした。
「工場の風景3」
製作こそは手作りなのですが、糸の巻き取り、括りなどの「糸の下準備」は機械化が進みました。
この写真は「巻き取機」と呼ばれるもので、その能力は1日で十反分も巻き取ってしまうそうで、他産地では真似が出来ないとの事でした。
工程の一部をご紹介致しましょう。
絣の製造工程は図案設計から製品検査に至るまで、全部で19工程にも及びます。最も興味のあった図案設計の工程は、「企業秘密」のため見学をお断りされました、、、残念!
「原料」
原料となるのは蚕の糸。つまり絹なのです。手触りはごわごわしていて、丁度ピアノ線のような感じでした。 この後、精錬、染色、糊付け等の工程が延々と続きます。
「糸繰り」
絹、木綿、麻、いずれも精錬済みの糸を原料として使う。 原料とする糸はかせ状になっているので、必要な長さと本数を得る為に、ホビン(小さな筒のようなもの)に巻き返す。
「整径」
意匠設計した図案を元に、必要とする長さの経糸又は緯糸を得るために整形を行う。 織物の反数と伸び縮を計算して必要とする整径長さを求める。
「製織」
「高機」と呼ばれる製織機を用い、手投げ杼により行われます。 この工程は昔ながらの木製の高機が用いられおり、巻き取り方法が賢明に改善を行ったのに比べ、この製織方法は全く手を加えていないそうです。 伝統と技術は頑なに守られているのですね。