Vol.14 沖縄県−那覇市字当間 「紅型(びんがた)」 ※画像データです。少々お待ち下さい。
紅型は染織物の一つで、型紙を用いた技法である点がこの言葉の由来でもあります。 その歴史は18世紀の大交易時代、中国や東南アジアの影響を受けつつ士族階層を中心に発達したものでした。 士族婦人の衣装としてや中国、江戸幕府への献上品として用いられ、その鮮やかな配色と華麗な色彩の彩りからは、華やかさを競った王朝最盛時代の息吹が伺えます。 その伝統と技法は今にも伝えられ、「鮮やかな彩りの追求」はなおも活発に続けられています。
・図案は、花鳥風月などの様々なものが取り上げられ、四季の風物が一つに融け合って見事な調和が保たれています。
ため息が出るような鮮やかさですね。
工房の風景1
工房の風景2
「工房の風景1」
紅型の工房は、長い生地が広げられるよう、大体が縦長の構造をしています。広げられた生地の上に直接配色がなされます。この写真は、下地の生地の染色を終了し、乾燥を行っているところです。
「工房の風景2」
傍らでは、黙々と配色作業がなされていました。色に対する感性が問われ、間違っても消す事は出来ません。真剣勝負の最中、本当にお邪魔様でした...。
工房の風景3-1
工房の風景3-2
「工房の風景3」
ぎっしりと並んだ筆と顔料。
まさしく色の工場といった感じです。
工程の一部をご紹介致しましょう。
紅型の製造工程は図案設計から製品検査に至るまで、全部で15工程にも及びます。大雑把に述べると、型紙が製作され、生地にあてがい、糊が塗られます。型紙を外すと糊を塗った部分と塗られていない部分の凹凸ができ、その凹部へ色を差し、最後に水洗いして糊を落し完成です!
「型紙作成」
型紙の下にルクジュ(豆腐を陰干ししたもの(写真中央))をあてがい、下絵に沿って小刀で突彫りします。
この技法は、手彫のあたたかさを感じさせ、さらには立体感を与えるという紅型の特徴でもあるそうです。
なお、この写真ではルクジュの代わりにゴムのシートが使われています。
「色差し」
染色は、顔料を主に使い、模様の部分に色差しを行います。着色用の筆と生地に色をすり込む筆が使い分けられ、決して簡単な作業ではないようです。
「隈取り(くまどり)」
さらにその上に隈取りというぼかし染を施すのが原則です。 この隈取りの技法は図案全体を引きしめて、立体感を盛り上げるのに役立っています。
「完成」
このあと乾燥させ、糊を洗い落とし、検査を経て完成となります。 本当に鮮やかですね。