Vol.15 沖縄県−読谷村字座喜味
「世界遺産(座喜味城編)」
※画像データです。少々お待ち下さい。

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ぶらり・オキナワ・what's this?



沖縄の「世界遺産」をご紹介致しましょう。

現在、琉球列島には「グスク」と呼ばれる城砦的遺跡が300ほどあると言われており、そのうちの首里城を中心とした琉球王国時代の主なグスク群が、「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」として、2000年11月30日付で世界遺産に登録されました。

「グスク」には「城」の字があてられることから、一般に石積みの城砦だと思われていますが、実際には小高い丘の上にある拝所や森の繁みにある風葬地帯にもグスクと呼ばれる遺構があり、必ずしも堅牢な城砦とは限りません。
その性格については論争もありますが、近年ではグスクは聖域をもった原始共同体の集落として発生し、しだいに有力按司の支配拠点としての城砦的グスクへと発展していったと考えられています。

今回は、その一つである「座喜味城(ざきみじょう)」へのご案内です。観光気分でどうぞ!



1-座喜味城跡正面

■座喜味城跡正面

うっそうと茂った琉球マツの木々の間に堂々と佇んでおり、座喜味部落の北側に位置しています。

この城は、1420年代に有力な按司(アジ)であった護佐丸によって築かれました。北山が滅びた後も、その旧勢力見張る目的で造営され、琉球王国成立の初期においては、国家権力の安定に重要な役割を果たしたと言われています。


2-2段連郭式形態

■2段連郭式形態

城跡は石灰岩の切石積で取り囲んで築かれており、城は2つの郭(かく:(囲い))からなる連郭式の形態となっています。


3-アーチ門(1) 4-アーチ門(2)

■アーチ門

この城には一の郭とニの郭にアーチの門がそれぞれ一つずつ造られていますが、アーチのかみ合う部分、門の表と裏両面にクサビ石がはめられており、これこそ他のグスク等には類例見られない構造となっています。
このことから、座喜味城のアーチ石門が、沖縄に現存する最古のアーチと考えられています。


5-ニの郭の風景1

■ニの郭の風景1

城郭内の面積は4000uほどで、沖縄のグスクとしては中規模といえます。
関係者によると、「城郭内部に城壁に登る手立てが残されていない。このことは何を意味するのだろうか。もし、現状のままなら、城としての機能を果たせないことになってしまうので、非常に興味の湧くところではある。」との事でした。


6-ニの郭の風景2(1) 7-ニの郭の風景2(2)

■ニの郭の風景2

琉球の城壁は、自然の地形に合わせて造られるため、このような美しいカーブを描くそうです。そういえば、交易が盛んであった中国の城壁もそうですよね。技術のみならず、その思想までも吸収しようとしていたと言えそうです。


8-一の郭への入り口(1) 9-一の郭への入り口(2)

■一の郭への入り口

比較的高い位置に門は形成されています。
ところでこの城跡、築城にあたっては、奄美の石工が動員され、山田グスクの石を手で運んだとの事。その光景は壮絶を極めたと言い伝えられています。


10-一の郭の風景(1) 11-一の郭の風景(2)

■一の郭の風景

一の郭には中央部と東壁側とに2棟の石組遺構が発見されました。舎殿跡とみられる直径20cm前後の石灰岩切石を方形に配列し、内部を石敷にした構造となっています。
なお、瓦などが出土しない事から、建物の屋根は板葺きか萱葺きであったと推定されているとの事です。



12-座喜味城跡からの風景

■座喜味城跡からの風景

標高120m余りのの小高い大地にあり、狼煙の緊急連絡のできる最高地とも言えます。

晴天の日には西海岸側の島々が全部見え、眺望のきく座喜味の丘にこのグスクを築いたと考えられています。




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